今回は、社労士試験に合格されたTさんにお話を伺いました。
もくじ
1,経歴について
私は、情報処理関係の商業高校を卒業した後、私立大学に進みましたが、そこを中退して受験をし直して、公立の4年制大学の経営学部に進みました。
大学の専門は経営関係ですので、労働法や社会保険に関することを学ぶ講義はほとんどありませんでした。
そこを卒業し、医療情報システムを企画する会社で経営企画業務、婦人服を製造販売するアパレル会社で営業事務や販売管理、モバイル関係の通信システムを開発するプログラマー兼システムエンジニア、会社の情報化を支援するSIer、プログラミングや情報処理、簿記会計、マーケティングなどを教える講師業といったように、社労士とは直接的には関係のない職場にいました。
そういった環境で社労士試験を目指しました。
2,社労士試験を受けるに至った経緯
私は、最初にファイナンシャルプランナーという資格を目指して勉強をしていました。その中で労災保険や雇用保険、年金といったものを学ぶ中で、より深く学べる社会保険労務士という存在を知りました。
将来は、経営に関するコンサルティング業を行っていきたいという夢がありました。
社会保険や労働保険に関する法律知識は、ほとんどの企業に必要なもので、なかなか難しい分野でもあります。
そこで、この資格を取得することで行える業務の可能性が広がるかもという直感が目指したきっかけです。
3,社労士試験にあたっての勉強法
社労士試験は、解答方法こそマークテストですが、科目ごとの足切りがあるので、できるだけ苦手科目を作らないことが大切です。
受験する科目数も多く、労働分野と年金分野など、分野ごとに性格が異なるので、新しい科目を学び始めると、徐々に前の科目の記憶が無くなっていく状態になります。
そこで、勉強方法としておススメは、科目間を回しながら問題演習に取り組むことです。つまり、労働基準法の勉強が終わり、雇用保険法などに進むと、雇用保険法と労働基準法の両方の問題を解いていく。
学んだ科目が増えると同時に問題を解いていく科目を増やして、最終的には、8科目を繰り返し解いていくという方法をとります。
この繰り返しをしていくと、選択式の解答力も向上します。
インプットよりもできるだけアウトプット学習をすることが合格のコツです。
4,社労士の仕事について
社労士の仕事は、社会保険労務士法に記載されているのですが、主に社員の入退社手続き、健康保険や厚生年金保険の手続きなど、会社と行政機関の間に立って、会社がスムーズに必要手続きを行えるように相談や指導、代わりに手続きを行ったりするのが主要業務です。
他に、国から労働環境などを改善して少しでも労働環境が良くなるように資金面で助ける助成金の手続きなども行います。また、個人では特に年金の手続きや障害年金がもらえる状態にないかどうかを法的な面から支えたりします。
これらの業務は社労士の独占業務なので、社労士以外することができません。
他に人事制度、評価制度、会社のルールである就業規則の構築といった、働く環境を直接的に構築して働きやすさ、生産性を上げる体制つくりなど、労務管理という点でコンサルティングを行ったりもします。
5,受験生・受験を考えている方へのアドバイス
少しでも興味があり、社労士を受験してみたいと思われる方は、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
労働に関する法律、年金といった生きて行く上で必要な知識が学べますので、社労士として独立する以外に、会社の総務人事など、人がいる職場であれば力を発揮する資格です。
また、コンサルティングといった創造力で新たな価値を作っていくこともできる資格ですので、活用方法や範囲は非常に広いです。
まずは、労働基準法という1つの科目で良いので学んでみて下さい。
それで面白いと思われた方はぜひそのまま深く学び、日本の労働環境が良くなるお手伝いをして頂けたらと思います。