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【あの世界的TEDxイベントを慶應義塾高校で】TEDxKeio High School実行委員長、昌原 瑞樹さんインタビュー

今回は、2024年3月16日(土)開催「TEDxKeio High School -Catalyst-」の実行委員会・代表である昌原 瑞樹さん(慶應義塾高等学校3年)にインタビューしました。

今回のコンセプトは「Catalyst」だったと思いますが、その想いについて詳しく教えてください!

今年のコンセプトは、ただ単にきっかけになることではなくて、みんなが自分の志を持って行動できる人間になるためのきっかけというところがあって。ここは僕たちが注力して作ったところになります。

実行委員会の中で1回TEDxをやろうと決めたときに、何のためにあるのか?TEDxの良さとは?なぜ僕たちがやるのか?という問いを自分たちで立てた結果、たどり着いたのが今回のコンセプトです。

僕たちの考える「志」は、自分たちの何かに対する好きという気持ち、それを突き詰めていった先にある究極の信念なんじゃないかなというふうに思っています。これはTEDxがすごくその特色を色濃く示しているところで、色んな登壇者が一気にスピーチするという珍しい機会の中で「自分の好き」「多角的な好き」を知れる。これはTEDxにしかない特徴だと思います。

色んな方々の話を聞いて、さらにそこから自分の好きっていう気持ちを、志に昇華させたというか、自分たちだったらどう行動するのか?に落とし込んで欲しいなという願いを込めてストーリーを作りました。

スピーチ、ワークショップ、交流会で得られるものは異なると思いますが、それぞれの目的は何ですか?

講演会の一番メインのところであるスピーチに関しては、まず自分たちで登壇者の志を知る段階にあるんじゃないかなと思います。

その後に、自分たちだったらどうするか考えて、自分たちの行動に繋げられるのがワークショップだと考えてます。ワークショップのいいところは、他の人と意見を共有できるところにあるので、自分だけでは見ることができない自分の価値を、他者との比較を通して見ることができるのではないかと思い、設置しました。今年からの試みです。

交流会に関しては、そのさらに先ですね。自分の好きを極めていった結果、どっかしらで志が芽生える瞬間があると思っていて。いろんな方のお話を聞いたり、自分たちの経験を踏まえて、なぜ志が芽生えるのかというと、やっぱりその人との出会いとか、概念との出会いだなと。そういう出会いの空間に交流会を使いたいなというふうに思い、交流会も企画することにしました。

ワークショップは今年からの取り組みだったと思いますが、前例のない中でどう組み立てていきましたか?

朝3時ぐらいまで話し合って、熱意持ってワークショップに取り組みました(笑)

そもそもこのイベントの開催目的は「志を持って行動できる人物になること」だったと思うんですが、その志を得るためには何か自分の好きなことに気づかなきゃいけないよねっていうのがみんなの認識としてあって。自分の好きなことの基準=価値観を知るためにあるのがワークショップ。そこからタイムテーブルを組んで、自分の価値観について知るためにはどうすればいいのかをみんなで話し合いました。

まず、自分の将来の理想像をできるだけたくさん書き出してみて、そのあと他の方から「なぜそれをやるんですか」とか「なぜそれに興味を持ったんですか」っていう問いを立ててもらう。その中で自分はこういう考えを持った人間だったんだなということを知る、というのがワークショップのプロセスになっています。

ワークショップの様子

イベント全体を通して、他にも大変だったことはありますか?

例えばTEDxの申請、学校への企画通し、担当の先生決め、スピーカーの選定などもあるんですが、一番苦労したことは、実は採用だったりするんですよね。全員にインタビューやエッセイを設けたりとか、どういう基準でやるのか、そもそもどういう人が欲しいのか、すごい深いところまで議論が必要なところでした。

でもその分、採用というプロセスを通して、チームとしてどういうことをやるべきなのかが明確になったと感じます。

どれぐらいの期間で運営の準備をされましたか?

前回のTEDxからだったので、大体1年になります。

1年間かけて準備する中で運営にかける思いはありますか?

実は最初は結構孤独で、2人で始まったプロジェクトだったんです。去年から受け継いだのは2人だったので。2人でコンセプトを決めて、先生探して、申請書を一緒に書き合ってというところから始まったんですが、結果的に35人程の大きな団体になりました。

その中で自分たちも最初はぼんやりとしていた開催目的がすごく深まっていった。僕は実行委員に怒られてしまったんですね。「君は目的も考えずにやっていいのか、こんなんじゃチームはまとまらないぞ」と。その通りで、助けられてばっかりなリーダーなんですよ。

そういったこともあって、何となくこれやればいいよねっていう軽い遊びみたいなものだったのが、だんだんと真剣な仕事、自分たちのやりたいことになっていったことが、この1年を通して自分の中で大きな変化だったと思います。

自分たちがやりたいと思ってやってるイベントで、何も強制されてないんですよ。自分たちはこういうことやりたいんですよっていうふうに、生徒主体で何かやっていくっていうところがこのイベントの一番面白いところだし、一番大変だったところだし、一番思い出に残ったところですね。

実行委員会の集合写真

一貫校で連携して、主体的に取り組める環境があるのは良い環境ですね。

そうでもないです。今年は塾高、女子高、志木高、SFCの4校で運営してるんですが、普段は繋がりもほぼないので、TEDx以外で話すことがほぼないんですよ。なので、一貫校の集大成みたいな新たな繋がりも作れたのは良かったなと思っています。

TEDxKeio High School

TEDxKeio High Schoolは、慶應義塾高等学校をはじめとした慶應義塾の一貫教育生徒有志により企画・運営されるTEDxイベント。

慶應義塾の塾員・塾生が半学半教の場を作り出す『正統さ』と、有志生徒が独自にイベントを主催する『異端さ』の二つの側面を兼ね備えていることから、慶應義塾高校の「協育プログラム」に認定。

今回の-Catalyst-は5回目の開催で、昨夏甲子園優勝を果たした野球部・森林貴彦監督やアパレルブランド「CLOUDY」代表の銅冶勇人さんなど、計9名が登壇し、100名近くの慶應義塾一貫教育生徒が参加した。

▼「TEDxKeio High School -Catalyst-」公式サイト
https://sites.google.com/view/tedxkeiohighschool