今回は、慶應理工学部出身でdouble jump.tokyo代表取締役の上野広伸氏にお話を伺いました。
ブロックチェーンゲーム会社の創業にあたってや、サービスβ版のリリース時にdAppsゲームの中で24時間の取引量で世界一を達成したMy Crypto Herosなどについて語って頂きました!
最後の塾生の皆さんに向けた一言も必読です!
もくじ
double jump.tokyoとは
double jump.tokyoという会社の名前の由来を教えて下さい
世の中にそのBダッシュベンチャーズっていうのがあるのはご存知ですか?
Bダッシュって言葉がすげくかっこいいなって思っていたんです。でもBダッシュ使われてしまったので、ゲームの有名なテクとしては二段ジャンプだなって思ってダブルジャンプにしました。
元々、エンジニア系の人なので、今ある技術を使って何か面白いことはできないかなって思っていた中で、一昨年ぐらいから、AIとかVR/ARとかみたいに盛り上がっている分野色々あるじゃないですか。
その中で、タイミング的にブロックチェーンがすごい盛り上がってきているので、それを足掛かりにブロックチェーンをゲームに取り込んだりとか、ゆくゆくはもっとブロックチェーン以外のものも取り込んで、新しい遊びの形っていうものを作れればいいなと思っているんです。
そこで、まずはブロックチェーンゲームを専業で作る会社として立ち上げて、それに邁進した方が面白いことができるんじゃないかなって作ったのがdouble jump.tokyoなんですよね。
もともとゲームは好きだったんですか?
はい。もちろん、プレイヤーとしてもかなり好きです。
世の中にある技術を直接的に世のためになることに応用する人もいるとは思うのですが、僕はどちらかと言うと世にある技術をアソビに変えるというか、新しい技術でしかできないような世界観だとか、アソビみたいなものを世に提供出来たら、それはそれで役に立つとは言えないけど、新しい世界を提供できるんじゃないかなと思っています。
そこで、ブロックチェーンとゲームをかけ合わせたら、どういう世界が作れるのかっていうのはまだ固まってはいませんが、そういうところに飛び込んでいった方が面白いなって思ったのが大きいです。
ブロックチェーンゲーム My Crypto Heros による3つの新しい世界観
My Crypto Herosではどういった点が新しい世界観を生み出していると言えるのでしょうか?
デジタル・アセット、エコシステム、有限性の3点から新しい世界観が生み出せているのでは無いかと考えています。
まず、デジタル・アセットについて教えて下さい
まず、デジタル・アセットという点では、今までのデジタルのものは基本的に「貸与」だったんです。
どういうことかというと、今までどれだけお金と時間、青春とか情熱を傾けても、どこかの運営会社でサーバーが動いていて、サーバーからあなたにデジタルアイテムを利用する権利がある、つまりレンタルという形なんです。
だから、アカBANでアカウントが死んだり、サービスが閉じてしまったら何も出来ないという世界感だったんです。
しかし、ブロックチェーンを利用することで、所有情報がサーバーに保存されるのではなく、世界に存在するブロックチェーンというモノの中に溶け込んでいることで、所持情報が明確に示せるようになったんです。
つまり、貸与の情報しか保存できなかったのが、ブロックチェーンによって所持の情報というのが表現できるようになったんです。
なので、ゲームのデジタルアイテムが「デジタルアセット化」される点がブロックチェーンのゲームの面白い点だと思っています。
エコシステムとはどういうことでしょうか?
イーサリアムの中ではという条件付きではありますが、デジタル・アセットはERC721という仕様に基づいて扱いましょうと提案されて、それがコミュニティに受け入れられたということがあり、すでにエコシステムが作られているということが言えると思います。
例えば今回のMy Crypto Herosで言うと、プレセイルでヒーローを販売したら、勝手にOpenSeaというアセット取引所で My Crypto Herosの取引がされていました。
ある仕様に基づいてゲームを作れば、何もコンタクトしなくてもそのエコシステム内で周り始めるというのはブロックチェーンゲームならではないでしょうか。
では、有限性とはどういうことでしょうか?
イーサリアム上では、スマートコントラクトを扱えるので、デジタル・アセットの発行量を明示的に決めることができます。
今までは、全てが全てとは言えませんが、デジタルアイテムとかってユーザーが増えたら増えた分だけ発行しますみたいな、ある意味無限に発行することができたんです。
それに対して、スマートコントラクトを用いることで、運営ですらデジタルアイテムの数をコントロールできなくなるんです。
買えば、買える人がいればどんどん発行していくというものだったのが、発行量を限定的にできるっていうのが非常にブロックチェーンゲームの面白いところだなと思います。
これはどうなるかというと、発行量が一定の中でどんどんゲームをやりたいっていうユーザーが増えると有限なものに対して、人がどんどん集まってくると、自ずと価値が上がるということです。
My Crypto Herosのビジョンを教えて下さい
My Crypto Herosのゲーム内で、ちゃんとエコシステムが回って、できるかわからないんですが、ゆくゆくはコミュニティに引き渡せたりしたら面白いのではないかと考えています。
コミュニティというとどんなコミュニティですか?
そこまでは想定できていませんが、My Crypto Herosをより良くしよう、より面白くしようと思っている人達に引き渡せるのが一番面白いのではないかと考えています。
ただ、ブロックチェーン技術がまだまだ未熟なので、技術的なハードルやコミュニティの信頼性の担保などのハードルを超えていく必要があると思います。
技術的やコミュニティの信頼性のハードルの例えはありますか?
My Crypto Herosのバトルベータでは、バトルを完全にスマートコントラクト上で表現してプレイさせていたため、めちゃくちゃ重かったです。
現状では、ブロックチェーンで実現しなければいけないことと、そうでないところで実現したほうが良いところの区別ができていないような状況です。
β版でバトルベータリリース時には取引高が世界一に!
β版がヒットした理由をを教えて下さい
色々なインフルエンサーの人たちにリーチして広めてもらって、価格変動型のモデルでセールしたんですが、はじめに勢いがついたので、更に注目を浴びて販売価格が上がっていきました。
後、日本から会社としてブロックチェーンゲームを出しているところが少なかったという事ではラッキーだったと言えるかもしれません。
また、11月30日に正式サービス及びクラウドセールを開始します。
海外での反響はありましたか?
なぜかイランの食いつきが良かったですね(笑)
ただ、スマホのユーザーが55%くらいで過半数を占めているんですが、スマホだとウォレットアプリっていう中でダップブラウザっていう形でプレイしなければいけないんです。
そうするとどこのページから来たかなどという情報が消えちゃうので、なぜイランの食いつきが良かったかはまだわかっていません。
個の時代に必要とされるのは「美学」
慶應生に一言お願いします
これから組織の時代から個の時代に変わっていっていると思うんですよね。
だから、個の時代において最も重要なのは、平均的に誰でもできるようなことってAIとかできるようになっちゃうので、やはり個が重要になってくると思います。それはもう世の中の流れなんで変えられないです。
他人と違う感性と思ったものこそ大事にすべき、他人と同じものって誰かがやるから関係ないんです。
みんなはそうじゃないって言うけど、自分はこうだと思ったということをいくつ見つけられるかだと思うんです。
例えば、食べログの点数が何点かなんて関係ない。自分が美味いと思ったら美味いんだと。そういうのをいかに増やすかっていう。音楽でもそうだし、なんでもそうなんですよ。
それがランダムじゃなくて、自分の中でストーリーがあるんだったらそれを見つけて、それを大事にすることが大切なのではないかと思っています。
生きていくうえでは、自分の美学や個性をどう生かすかの方が価値あるんじゃないかなと思っています。
そういうことを大事にしてほしいです。
【My Crypto Heros関連リンク】