2024年度、慶應義塾大学新入生向けページ【こちらをクリック】

大学在学中一年の勉強で一発合格した現役公認会計士がアドバイスする試験とキャリア

今回は、慶應在学中に公認会計士に一発合格した方にお話を伺いました。

プロフィール
2007年、大学三年次在学中に一年間の勉強で公認会計士論文試験に合格。大手監査法人にて非常勤務を開始。2009年大学卒業後、同監査法人にて常勤勤務。その後、2011年に修了試験に合格する。修了試験合格後、外資系事業会社にて経営企画管理の職務につき、現在8年目。

1,公認会計士を受けるに至った経緯

中学受験で大学附属校に入ったため、大学受験をしていなかったのでどこかで一念発起して勉強しようと思い、国家試験受験を考えていました。経済学部に入ったこともあり、経済と関連性があり、またビジネスの理解にも役立つ公認会計士試験を受験することにしました。

2,公認会計士試験にあたっての勉強法

まずは簿記をひたすら勉強した。教科書に乗っている例題を何回も解き、答練も何周もしました。そして、ある程度たって簿記のレベルが日商一級に受かるくらいのレベルになってから他の科目の勉強を始めました。また、時間がなかったので短答試験までは基本的に短答用の勉強しかしていませんでした。ただ、法人税の計算問題だけは短答前も多少手をつけていました。短答後は計算系の科目は答練を回すだけにとどめ、理論系の科目の回答の精度を上げることに時間をかけるようにしていました。

3,公認会計士の仕事について

監査法人時代は主に監査と、クライアントへの会計アドバイザリーを行っていました。監査は日本の金融機関や、製造業をメインに担当し、貸倒引当金の金額の妥当性のチェックや、販管費の増減分析などを行いました。また、会計アドバイザリーとしての仕事は、主に日本の伝統的な大企業に、日本基準での仕訳をIFRSやUSGAAPに変換するお手伝いや、仕訳の妥当性をチェックする業務を行っていました。
また、外資系事業会社に転職してからは、コントローラーとして、事業部の年次予算作成管理、月次決算承認、内部監査業務などを担当しています。

4,公認会計士になってよかったと思った事

まず、大手監査法人はファーストキャリアとして、実務経験を積める面からも、転職先からの評判を得られる点としても非常に魅力的です。公認会計士の資格は大手監査法人への最短のチケットであり、新卒の時にそれを使えるのは将来のキャリア形成の面で非常に大きいと思います。監査法人からの転職の面でも、公認会計士は士業の中でもビジネスとの親和性が高く、また、数字が読めるというスキルはどこでも必要とされるため、事業会社への転職がしやすいです。そして、大手監査法人がメンバーファームとなっているBig4は外資系企業への転職の場合は前職を勘案する際かなり評価されるため、大きなアドバンデージとなりました。事業会社内では会計や監査に強い者は少ないため、監査法人での経験は重宝されやすいです。社内でも会計や監査、そして数字に強い者として一目置かれるので自分のポジションが築きやすいです。また、他者から信用を得る上でも、特に若いうちは公認会計士を持っていることでプラスに働くことが多かったと思います。

5,受験生・受験を考えている方へのアドバイス

公認会計士試験に合格してからある程度の年月が経ちましたが、改めて振り返っても資格を持っていることは非常に自分のキャリアの中で助けになっていると感じます。知っている限りでは監査法人に残っている者も、監査法人から転職して事業会社に入ったり、独立した者も良い待遇を得ています。また、公認会計士試験合格者は合格後も週末などに勉強に時間を費やすことを厭わず、常に研鑽している者が多いので、その点でも非常に刺激になります。他にも、公認会計士同士で横のつながりだったり、縦のつながりも自分の積極性次第では広げていけるので、その点も資格をとってよかったと言えるポイントになります。あと、試験合格後は英語を勉強することをお勧めします。監査法人での仕事もどんどんグローバルになっていってますし、英語ができる人は実は少ないので、できるだけでチャンスが回ってきやすいです。また、転職市場でも会計士かつ英語ができる人は非常に少なく、いい転職先が見つかりやすくなります。