慶應生が知っておきたい、資格試験の違いや特徴について(弁理士試験・知的財産管理技能士検定編)

さて、今回はちょっと馴染みのないかもしれない
弁理士試験と知的財産管理技能士検定(知財検定)についてお話しようと思います。
実はこの2つ、よく混同されやすい資格なんです!
どちらも知的財産(特許権や実用新案権など知的活動によって生み出された財産的な価値を持つアイデアや創作物)に関する国家資格なのですが、勿論違いがあるので今回はそれを見ていきましょう。

弁理士

弁理士とは?

弁理士とは一言で言えば、知的財産の専門家です。
具体的には、「特許庁への出願手続きの代理(独占業務)、登録されている知的財産の調査、また、企業に対しては特許戦略のコンサルティングを行う」などが業務になります。
つまり、知的財産についての知識を使う人ということです。

試験について

弁理士になるには、以下の3つのどれかを満たし、実務修習を修了する必要があります。

  • 弁理士試験に合格した人
  • 弁護士の資格を有する人
  • 特許庁で通算7年以上審判官または審査官として、審判または審査のの事務に従事していた人(但し、未成年等上記の条件を満たしたとしても弁理士になれない人もいます。)
今回は上記条件のうち、弁理士試験について見ていきましょう。
さて、弁理士試験は3つの試験から構成されています。

一次試験:短答試験

5月中旬~下旬

  • 短答試験は工業所有権に関する法令(特許・実用新案、意匠、商標)
  • 工業所有権に関する条約
  • 著作権法
  • 不正競争防止法
の7科目が試験科目になります。
マークシート方式ではあるものの、出題数は60題に及び、試験時間も3.5時間であることから、簡単な試験ではないといえるでしょう。
各科目40%以上、合計で65%の得点率で合格となります。

二次試験:論文式試験 ※短答試験に合格したもののみ

必須科目は6月下旬~7月上旬
論文式は記述式の試験ではありますが、必須科目は短答式と変わらず、工業所有権に関する法令が出題範囲となります。
試験時間は

  • 特許・実用新案が2時間
  • 意匠と商標については各1.5時間
になります。
調整後の各科目の平均が54点を基準とし、審議会が認めた点数以上であれば合格になります。
但し、47点未満の得点の科目が1つもないことが必要です。
選択科目は7月下旬~8月上旬
選択科目は理工や法律に関する6科目のうち1科目を選択して受験します。
試験時間は1.5時間になります。
科目の素点の得点率が60%以上であることで合格となります。

三次試験:口述試験 ※論文式試験に合格したもののみ

10月中旬~下旬
こちらは面接方式の試験になります。
試験範囲は

  • 工業所有権(特許・実用新案、意匠、商標)に関する法令
3科目それぞれについて10分程度の試験になっています。
弁理士試験は受験資格こそはないものの、司法試験に次ぐ難易度と言われるほど難易度は高く、合格率は6~10%程になっています。
その難易度の高さは、合格者の平均受験回数が3回弱であることからも伺えます。
 
独立する場合、年収はいくら???
弁理士と弁護士の違い ~理系の弁理士、文系の弁護士~
など、弁理士についてさらに詳しく知りたい方はこちら
参考 弁理士とは?資格スクエア

知的財産管理技能士検定

知的財産管理技能士検定とは?

知的財産管理技能士検定は弁理士と同様、知的財産の専門家です。
それでは何処が違うのか?

ポイント
実は弁理士が知的財産についての知識を「使う」のに対して、知的財産管理技能士検定は検定とあるように理解しているという「証明」に過ぎない。
こちらは弁理士とは異なり、業務独占資格ではないものの、試験に合格すると「技能士」と称することができる名称独占資格となっています。

試験について

今回は最もメジャーである、2級・3級についてお話します。
知財検定の2級・3級の試験は年3回行われます。
受験資格は3級はほぼ無いのですが、2級は以下5つのうちどれか一つの条件をみたすことが必要です。

  • 知的財産に関する業務について2年以上の実務経験がある
  • 3級技能検定に合格した
  • 学校教育法による大学又は大学院において検定職種に関する科目について10単位以上を修得した
  • ビジネス著作権検定上級に合格した
  • 2級技能検定の学科または実技いずれか一方の試験のみ合格した
2級・3級ともに、学科試験(マークシート)と実技試験(記述式)の2種の試験に分かれています。
3級の試験範囲はそれぞれ45分で

学科試験
  • 保護(競争力のデザイン)、活用、関連法規
実技試験
  • 保護(競争力のデザイン)、活用
2級の試験範囲はそれぞれ60分で

学科試験
  • 戦略、管理、創造(調達)、保護(競争力のデザイン)、活用、関連法規
実技試験
  • 戦略、管理、創造(調達)、保護(競争力のデザイン)、活用
となっています。
2級は3級に比べ試験範囲が広がる上に、3級の合格基準が各試験の正答率70%以上であるのに対し、2級では各試験の正答率が80%以上で合格となります。
合格率は3級が各試験55~60%程度、2級は年によって差が大きく、60%近くの年もあれば20%程度の年もあります。
 
参考 知的財産管理技能検定(知財検定)3級資格スクエア

まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか?
国家資格であっても、独占業務があるものだけでなく、名称独占資格というものもあるということですね。
すなわち、弁理士と知的財産管理技能士検定はまとめると

②まとめ
弁理士は、知的財産についての知識を「利用」する資格
知的財産管理技能士検定は、知的財産についての知識を「証明」する資格
ということです!

オススメの記事

司法試験予備試験のメリットとデメリットとは?【慶應生必見!】予備試験の一般教養科目、法律基本科目って?【慶應の法科大学院を例に】法科大学院(ロースクール)のメリットとデメリットとは?