研究・設計部門から知財部門へ。弁理士を受験した理由とは?

今回は研究職に付きながら、弁理士試験に合格されたMさんにお話を伺いました。

弁理士試験を受けるに至った経緯

企業の研究・設計職に従事している際に、自ら特許出願を行った経験などから弁理士という職業に興味を持ちました。しかし、弁理士試験が非常に難関な試験であることを知り、また、研究・設計部門から知財部門に仮に異動できたとしても、日常業務に追われて弁理士試験の勉強をできる環境も無さそうな状況でした。そこで、サラリーをきちんと得ながら弁理士試験の勉強ができる環境を求めて、思い切って特許事務所に転職し、特許事務所で特許技術者として仕事をしながら、弁理士試験を受けるに至った次第です。

弁理士試験にあたっての勉強法等

特許事務所では、特許技術者として仕事をこなしながら勉強でしたので、仕事に出る前の早朝と仕事から帰った後の夜間に勉強していました。但し、仕事に差し支えることは好ましくないと考えていましたので、夜間の勉強はあまり遅くまではやらずに、早めに切り上げて、早朝の短い時間にできるだけ集中してやるようにしていました。特に、答案練習会がある日などは、仕事の後に夕方に答案練習会などを受けてから帰宅することになるため、夜間の勉強はほとんどやらないようにし、早朝の勉強を中心にしていました。このため、答案練習会などがある日でも、早朝に勉強時間を確保することができ、夜更かししすぎて仕事に支障が出てしまうようなことはほとんどありませんでした。弁理士試験に合格するまでに5年かかってしまいましたが、早朝を中心に勉強するペースは変えずに維持し、仕事はきちんとこなすようにしていました。途中でくじけそうになった時期もありましたが、私にとっては、この勉強法がよかったと思っています。

弁理士の仕事について

弁理士になってからも、弁理士試験合格前と仕事内容はほとんど変わることはありませんでした。異なるのは、弁理士のサポートの特許技術者という立場ではなく、正式な代理人として仕事を行うようになったことだけです。そして、弁理士業務としては、国内案件については、機械系の分野の特許を年30~40件程度出願し、審査・審判の中間対応を年60~70件程度こなしていました。外国案件としては、国内出願をパリルートやPCTルートで外国へ出願する対応を年20~30件程度こなし、米国や欧州、中国などの外国出願の中間対応も年50~60件程度こなしていました。なお、上記のように、弁理士になった後も弁理士試験合格前と後であまり変わらないと述べましたが、やはり、特許庁の審査官や審判官と案件内容について話することができるのは、弁理士だけですし、また、外国の代理人と会う場合には、名刺に弁理士と書いてあるかどうかで相手の態度が明らかに異なるため、このような時には、「自分が弁理士である」や「弁理士になってよかった」と思える時であったように思います。

受験生・受験を考えている方へのアドバイス

弁理士試験は、難関試験であるため、まず、勉強時間の確保が大切になります。とはいえ、各人の事情(仕事や家庭)がありますので、それぞれの事情に合わせた勉強時間の確保の仕方を考えるべきと思います。私の場合は、上記のように、企業勤めのままだと勉強時間が確保しにくかったこと、そして、サラリーを得るために日中はしっかりと仕事をしたかったこと、などの事情を考慮して、特許事務所への転職及び早朝中心の勉強を選択しました。何が正解ということはないと思いますが、私と同じような環境に居る方には、参考になるのではないかと思います。がんばって下さい。