慶應生のみなさん、こんにちは!
6月に入り、サマーインターンの選考も本格的に始まってきましたね。
そんなサマーインターンの選考で、ポイントになるのがグループディスカッション。ほとんどの企業が導入している選考の過程の一つです。
「はじめまして」の人たちと、正解のない問いに対して議論していく。これって結構難しいですよね?
今回は、そんなグループディスカッションで負けなしの森田さんにお話を伺いました。
もくじ
GD(グループディスカッション)という選考について
そもそもGD(グループディスカッション)ってなんだ?
みなさんこんにちは!
エンカレッジ慶應支部で、慶應生の就活を支援する活動をしている経済学部4年の森田樹と申します。
ぜひ、最後までお付き合い下さい。
さて今回は、謎の多い『グループディスカッション(以下GDと表記)』についての記事です。
皆さんはGDと聞いて、イメージがつくでしょうか?
GDとは、ざっくり言ってしまえば、与えられた様々なお題に対して限られた時間内でチームの答えを出す、といったところです。
よくあるお題は、「とあるコンビニの売上を2倍にしてください」「小学校にプログラミング教育を導入することの是非」「新しい国民の祝日を考えてください」などですかね。
このお題を見て、何か気づくことはありませんか?
そうなんです。GDには、大学受験や定期試験のように、「正解」が用意されているわけではありません。
この観点からは、GDをこう表せると思います。
「答えのない問いに対し、そのチームにおける最適な解を導き出すまでの、合意形成のプロセス」と。
お題に正解はなく、その時のメンバー間での最適な解に、合意形成を常に取りながらメンバーを導いていく。
このような意識を持ってワークを行える人材が、社会にも、企業にも必要とされています。
選考でのGDの位置付け
さて次は、GDが選考過程でどのように位置付けられていて、何が求められているのかを見ていきたいと思います。
図1:選考の一般的なフロー
まずはっきり言っておきましょう、GDは「スクリーニングのための選考」です。
スクリーニングとは、つまるところ「足切り」のことです。
企業から見て、1度に多くの学生を集めてかつ評価できる場はとても効率が良い、ということは就活を始めたてのみなさんにも理解できるのではないでしょうか?
企業は、GDである程度母数を絞ってから、それ以降の選考つまり面接に力を注ぐわけです。
ここからは、二つの重要な示唆を得ることができます。
一つは「個々人は、スキルよりもまずスタンスで評価されている」こと、もう一つは「場数と場慣れがすべてである」ことです。
まず一つ目に関して。
(※こちらは選考の規模や重視しているポイントが異なるので、必ずどの企業にも当てはまるといった話ではありません、傾向的な話なのでご注意を。)
GDという選考においては、『コミュニケーション能力』『論理的思考力』など、チームのアウトプットの質に直結する個人の能力・スキルが必要とされます。
しかし上述のように多くの学生を集めて評価するGDでは、必ずしも個人の能力を見切れるとは限りません。
選考官も人間です。
そこで見られるのは、スタンスです。
リーダーシップがあるか、積極性があるか、最後までやりきる姿勢があるか、などといった態度・姿勢のことです。
「自分は頭が悪いから、、」「コミュ力あんま高くないし、、」などと弱気な姿勢を見せたらアウトです。
チームの流れを阻害しない程度に、まず積極性を見せることがGD通過への一歩目と言えるでしょう。
次に二つ目。
GDは、どれだけ事前に場数を踏んだかで全く選考結果が変わります。
GDは落とすための選考ですから、議論の基本的な流れやチームの中で個人が果たすべき役割(どちらも下で説明します)を理解していて、かつそれを行動に落とし込むことで積極的な姿勢を示すことができれば、落ちることはまずありません。
場数を踏む中で、どんな時にもブレない自分の役割を確立しておくことが、GD通過の秘訣と言えるでしょう。
次は、GDの具体的な内容について解説していきます。
いざGD、その中身とは?
議論の流れ
以下では議論の流れを見ていきましょう。
わかりやすいように、「遊園地の売上を1.5倍にするには?」というお題が与えられたとして説明していきます。
(※かなり重要な部分ではありますが、この記事では個人としての役割にフォーカスするので大枠だけ語るに止めます。
詳しくは慶應支部のGDイベントで学んでください!)
①時間配分
一番最初に、全体の時間の使い方をチームで話し合います。限られた時間の中でアウトプットを出すには必須の作業です。
②定義・認識共有
与えられたお題に対し、チームで任意の状況設定をすることで具体性を持たせます。
Ex. 「遊園地は、東京都の郊外にある架空の遊園地としよう」「3年以内にこのお題を達成しよう」
③課題設定
お題を達成するために大枠を整理した上で、手をつけるポイントを策定します。
「売上は集客数×客単価+園内物販と整理できそうだけど、集客数に注目してみない?」
④アイデア発散
課題を解決するための打ち手をある程度自由度を持たせて発散します。
「SNSで広告を打とう」「キャラクターを作ろう」「他の遊園地にない遊具を作ろう」
⑤収束・評価
出てきたアイデアを評価項目に沿って表などを作り整理していきます。
「この表を元にコスト・実現性・インパクトで評価すると、〇〇が良さそうだね」
⑥まとめ
これまでの議論を整理して、発表の準備をします。
⑦発表
全体や選考官に向けて発表をします。
この他どんなテーマが来ても、この基本の流れを押さえておくことで柔軟に対応できると思います。
個人としての役職
さて、ここからが本題です。
正直なところGDにおいて役職なんてあってないようなものですが(一人が兼任するのがザラです)、これを参考に自分がGD中にどんな立ち振る舞いをするか考えてもらえればと思います。
①ファシリテーター/リーダー/司会 【バリュー:大】
チームの議論全体を整理したり、前に進めたりする人です。
コミュニケーション能力が求められるのは言うまでもありません。
しかし、議論をまとめきれず、反感を買ったりすることもあるので、リスクもある役回りです。
また、この役割を果たす人が一人だけとは限りません。
複数人がリーダーシップを発揮し調和するチームが理想的なのは言うまでもありませんね。
②書記 【バリュー:大】
議論の流れを整理して、ホワイトボードや白紙などにまとめる人です。
議論の流れを可視化したり表を作ったりと、高い理解力や論理的思考力が求められる役回りです。
ファシリテーター以上に議論全体を俯瞰できていることが必要とされる場合が多いです。
③アイデアマン 【バリュー:中】
課題に対する打ち手など、議論の中身を詰めていくような役回りです。
積極性を示すことはGDにおける基本ですから、この役回りは誰もが果たすべきものです。
ただそこで要注意なのは、アイディアマンが最も「クラッシャー(後述します)」になりやすいということです。
④タイムキーパー 【バリュー:小】
主に最初の時間配分、またその後ワーク中において時間を管理する人のことです。
タイムマネジメント能力は確かに求められますが、その能力自体には何の価値もありません。
GDにおいて大事なのは、チームのアウトプットにどれだけ貢献できたかですから、この視点は誰もが持てているといいですね。
⑤モブ 【バリュー:無】
あまり発言できずにGDを終えてしまう人です。
個々人の性格の差はあれど、発言の積極性を示すことが大事です。
あまり目立ったり発言することが苦手な人ほど、場数を踏むことで着実に自信をつけていくことが大事です。
⑥クラッシャー 【バリュー:虚数解】
自分のアイデアや意見にこだわりすぎるあまり、チーム全体の議論を崩壊させてしまう人のことです。
一人でもクラッシャーがいるだけで、チームのアウトプットの質は著しく下がります。
クラッシャーに対処できるのは相当なGD上級者だけですので、注意が必要です。
よくある失敗例~こんなGDはいやだ~
ではさらに具体的に、以下ではよくある失敗例を何個か挙げていきたいと思います。
失敗例①:「船頭多くして船山に登る。」
古いことわざで、「指図する人が多過ぎるとかえって統率がとれず意に反した方向に物事が進んで行くこと」の意味ですね。
GDでも同じような事態が往々にして起こります。
リーダーシップを発揮する学生は何人いてもいいのですが、ファシリテーターという役職を奪い合ってチームの議論の流れを止めるのは本末転倒です。
自分がチームを引っ張るぞ!という意気込みも大事ですが、時には冷静に周りを見渡して柔軟にサポートに回れる人こそ本当に優秀だと思います。
失敗例②:「タイムキーパーで満足する、モブ。」
上述の通り、GDではスキルはあまり見られていない上に、タイムマネジメントのスキルはあまりに基本的ですから、タイムキーパーをするだけでは貢献したとは言えません。
「よしじゃあ俺タイムキーパーやるね!」と開始直後に言い放ち、タイマーを作動したiphoneを机の上に設置してドヤ顔するだけの人は、ただの「時間にうるさいモブ」です。
タイムキーパーは、あくまで掛け持ちできる役割の一つと思いましょう。
失敗例③:「気づかぬうちにあなたもクラッシャー!?」
「今日はとっても行きたいインターンの選考だ、頑張って発言するぞ!」とビンビンに気合を入れすぎるあまり、起こってしまいがちな悲劇です。
自分の存在感を出そうとするあまり意見を押し通そうとすると、たちまち「クラッシャー」が爆誕します。
さながらキングボンビーですね、目も当てられません。
大事なのは、アイデアや意見を出すこと自体ではなく、それによってチームのアウトプットに貢献することです。
一つのアイデアにこだわらず、議論を前に進めることを意識しましょう。
最後に|負けないGDができるようになろう
GDは準備が命、こんなところで落ちたらもったいない!
さて、GDというものが何たるか・自分はどう立ち振舞うべきか、少しはイメージが湧いたでしょうか?
人から聞いただけ、表面だけさらっただけでは、何もわからないというのが正直なところだと思います。
だからこそこれだけは持ち帰ってもらいたいのは、「GDは場数と場慣れ、つまり事前の準備がすべての世界である」ということです。
準備を怠らず基本を押さえれば、負けないGDができるはずです。
選考において「面接」はやはり大事です。唯一、たっぷり時間を使い自分を伝える・表現することができる場ですから。
GDなんて、その前段階のスクリーニングでしかない。だからこそ準備不足、経験不足で自分を伝えるチャンスを失うなんて勿体ないですよね。
とはいえ、GDの準備・経験をするためはそれなりの環境が必要です。
当然、一人では練習できないものですから。
そこでエンカレッジ慶應支部では、GD練習会と称して周りの優秀な慶應生とGDの練習ができる機会を提供しています。
なんと6/17には早慶合同のイベント も開催しちゃいます!
これを利用しない手はないですよね?!
ぜひ参加してください。
今回の記事で触れたGDやESは、早くから動き出してしっかりと準備することで全く怖くなくなります。
そうすれば、周りの就活生とは一つ違ったステージに立つことができると思います。
「企業に選ばれる側」から「企業を選ぶ側」に回りましょう。
そうすれば、きっとあなたにとって納得感のあるキャリアを自らの手で選択できると思います。
それでは、エンカレッジ慶應一同、就活への勇気ある一歩を踏み出す応援をしています!
エンカレッジ慶應とは
2015年に京大で「全ての就活生が本質的なキャリア選択を通じて人生を最大化する」ことを目的として発足したキャリア支援団体の慶應支部。
今年度は2019年卒の日系有名企業・外資系企業・ベンチャーなどの内定者を中心に運営を行なっており、5月末時点で会員数は500名以上。
内定者が運営するNPO法人であることを生かして「1番近い先輩」として自己分析などのキャリアコンサルティングやES添削、面接練習、その他選考対策講座を行なっている。
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