今回は、刑事弁護を中心にお仕事をされているMさんにお話を伺いしました。
もくじ
1,出身について
出身学部は法学部で国際法を専攻する学科でした。その後、ロースクール(法科大学院)に進学をすることを決めて、既習コースに入れるよう、国内法の勉強に力を入れるようになりました。そして、出身大学のロースクールの既習コースに進学をしました。
2,司法試験を受けた理由
法学部に入った時は国際法を専門に学び、海外の大学院に進学をし、紛争下の法の支配を守る仕事に就きたいと考えていました。
しかし自分より英語ができる人にたくさん会い、自分がはたして海外の大学院に入ることができるのだろうかと疑問に思うようになりました。
国内法の刑事法や公法(憲法、行政法)は好きだったことから、専門性を身につけて英語は追々やっていこうと思い、司法試験を受けることにしました。
当時は、ロースクールができてすぐの頃でしたので、ロースクールに入ることを目標に勉強を始めました。
3,司法試験にあたっての勉強法
司法試験が競争試験で資格試験であることを意識して、過去問(旧司法試験も含む)を早い段階から解くようにしていました。
過去問はとても重要です。なぜなら勉強のゴールが分かるからです。
法学は奥が深く、未習なら3年、既習でも学部と合わせて6年で極めることは絶対に無理です。
しかし司法試験はせいぜい6年程度で8科目を勉強した受験生の中から合格者を出す試験です。
過去問を解いて、合格者の平均点や合格者の答案を見る事で、合格レベルを体得することができます。
どこまで勉強するべきなのか見極めることができるのです。
長い人でも6年しかないのですから効率的に勉強することが必要不可欠です。
また、勉強をする仲間も大事です。頭の良い人は確かにいますが、ロースクールに入ることができる程度の頭があれば、大半はドングリの背比べです。
勉強仲間とゼミを組むなどして、平均的な勉強方法はなんなのか、自分がずれたことをしていないのか自分の勉強方法を見直すことも重要です。
4,弁護士の仕事について
私は刑事事件を中心にして弁護士業務にとりくんできました。
刑事弁護は民事事件と比べると忙しい仕事です。依頼者は土日関係なく逮捕されますし、依頼者が警察署に逮捕・勾留されていれば、民事事件と違って警察署にまで会いにいかないといけません。
経済的に困窮している依頼者も多く、国選事件であれば報酬も十分にもらえません。
それでも熱心に取り組んでいたのは、世界中を敵に回してもその人の味方になることができる仕事だからです。
依頼者の話を聞いていると、自分が依頼者と同じ人生を歩んできたとき、同じことをしないと言い切れない事件も多くありました。
また、実際はやってもいないのに逮捕されて困っている人に会うこともありました。
そのような人を全力で守ることができるとてもやりがいのある仕事であるといえます。
日本では無罪判決を得ることはとても難しく、私も数件しか無罪判決はありませんが、無実の人を冤罪から救うことができるこの仕事にとてもやりがいを感じています。
5,受験生・受験を考えている方へのアドバイス
司法試験は、長期間にわたって努力が必要な大変な試験であることは間違いありません。
しかし、旧司法試験と比べて合格はしやすく、適切に努力をすれば合格できる試験です。このような試験を乗り切るのに大事なのは、モチベーションを保つことです。
自分がなぜ司法試験に合格したいのか定期的に思い出す、仲間とゼミを組んで励ましあうことも重要です。
また、勉強をしていると楽しくなってしまい、奥深く勉強をしたくなりますが、試験まで何日残っていて、どれだけの量の勉強をする必要があるのかをよく考え、試験との関係であまり深入りするのは避けた方が良いと思います。
もちろん未知の問題に対応できるように思考力を養うことも必要ですが、バランスを見失わないのが合格の秘訣かと思います。
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