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畑違いから始めるなら覚悟が必要と感じた司法書士試験受験

今回は、司法書士法人に勤務されているSさんに司法書士の受験や仕事について伺いました。

プロフィール
平成26年から資格試験の勉強をはじめ、2回落ちてから3回目の平成28年度に合格しました。関西にある司法書士法人で勤務し始めてから3年目になります。不動産登記を中心とする事務所なので、業務経験は9割以上が不動産登記です。

1,出身について

生まれも育ちも兵庫県です。小学校から高校まで地元の公立に通い、大学進学時に少し離れた都市での下宿生活をスタートしました。
地元はかなりの田舎で、1番近い大学でも片道2時間半かかるため、交通費とのかねあいから下宿を余儀なくされたというのが正しいでしょうか。

2,司法試験を受けた理由

司法書士試験を受けることを決めた理由は、親族に司法書士がいたからです。その親族から「司法書士はいいよ」とすすめられたわけではありません。興味本位で職務内容を調べてみたところ、「女性にもおすすめの資格」と知ってさらに興味が出たので司法書士の受験を決めた次第です。大学では法律にまったく関係のない分野を学んでいたので不安はありましたが、予備校に通えば知識がゼロからでもなんとかなるだろうと信じて学習を始めました。

3,司法試験にあたっての勉強法

司法書士試験のための勉強は、予備校の「初級者コース」で始まりました。「そもそも民法とは何か」といった、まったくの初学者向けの内容から教えてくれたため、全体像の把握から細部の知識に至るまでスムーズに頭に入ってきたように思います。
コースを終えれば、あとはひたすら復習と演習の繰り返しです。平均すると1日8時間は勉強机に向かっていましたが、それでも試験1回目のチャレンジの結果は悲惨なものでした。
学習2年目からは、予備校の「中・上級者コース」を受講して知識の定着に励みました。
司法書士試験のための参考書は多種多様なものが出版されていますが、多くの参考書に手を出すのは良くないと思い、予備校で使用するテキストと問題集を繰り返し読み込みました。
2年目を過ぎるころになると、試験直前期の模試でも良い判定を出せるようになってきました。
しかし、模試と本番はやはり違います。模試の結果が良かったからといって油断はせずに、試験日の1日前まで机にかじりついて苦手分野や何度やっても間違えてしまう問題の復習を続けました。

4,弁護士の仕事について

司法書士として働きだして3年目になりますが、中心的な業務は不動産登記です。
不動産登記は司法書士の業務の中核をなすといわれていますが、まさにその通りで依頼の件数も多く、日々走り回ってあわただしく過ごしています。
また、働きはじめてからひしひしと感じたのはコミュニケーション能力の重要性についてです。
お客様をはじめとして、仲介業者や金融機関といった様々な立場の方と状況に応じた適切なコミュニケーションをとれなければ、スムーズな登記が実現できません。
スムーズに登記を完了できないと多方面に迷惑がかかるうえに、最悪の場合は重い責任を負う事態に陥ります。
そのため、仕事に関わるあらゆる人と密なコミュニケーションをとって正しい情報を集め、細部まで間違いや齟齬のないように確認する慎重さと細やかさが、司法書士として問題なく働いていくためにはかなり重要な性質なのだと感じています。
また、資格をとれば勉強が終わりになるわけではありません。
研修への参加は必須で、法律の改正など日々新しい情報にアップデートしていけなければならないため、一生勉強を続ける覚悟も必要です。

5,受験生・受験を考えている方へのアドバイス

今働いている業界や、学んでいる分野がまったく畑違いであったとしても、イチからじっくり勉強すれば司法書士試験合格は可能だと思います。
ただ、フルタイムで働きながら受験勉強をするのはかなりの覚悟と根気が必要でしょう。
勉強と仕事のバランス、そしてモチベーションをいかに保ちながら学習を続けられるかが合格に至るためのカギといえます。
といっても、私のように半専業受験生になると、勉強に専念できる反面社会的なセーフティーネットがないため、試験に対する精神的重圧がかなり大きくなるのでどちらも一長一短です。
時には自分を追い込むことも必要ですが、精神的なバランスを崩さないようにマイペースで勉強を続けられる環境を整えるのがより重要だと思います。
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