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「とりあえず院進」の落とし穴

こんにちは!エンカレッジ慶應支部の田中です!
私は、学部就職が珍しい理工学部の中でも、さらに学部就職が珍しい化学系の学科に所属しております。(笑)
今回は、周りが院進する中、1年弱就活をした私が感じたことを踏まえ、「理系のみなさんにこれだけは届けたい…!」ということをお話したいと思います。

とりあえず院進、それでいいの?

慶應理工学部の大学院への進学率は約70%。これは私立理系学部の中ではトップクラスらしい。
確かに誇らしい数字に思える…。でも、この70%の中には、「研究したいという気持ちは特にないけど、とりあえず院進してから将来のことを考えよう」と進学を決めた人も、相当数いたはずです。
この記事を読んでいる皆さんの中にも、そう考えている人はいるのではないでしょうか?
とりあえず院進、してもいい。でもそれと同じくらい「とりあえず就活」という選択をとってもいいはず!
そこで今回は、「院進、就職、どーすんの俺!?(オダギリジョー)」的なターニングポイントに立つ理工学部生に、私が研究室にいて感じた院生就活の実際と、良い選択をするための観点を中心にお話できればと思います。

大学院進学によって就活が有利になるのというのは本当か?

「とりあえず院進」といった考えに至るにもいくつか理由があると思うのですが、一般的な理由は以下に大別されるかと思います。
①大学院生は就活が楽になるらしい
例)「院生は企業の推薦枠がもらえる」
②将来何をやりたいかまだ分からない
例)「院進してみないと自分がこの専門に本当に興味があるかないか、判断がつかない」
③就活って大変そうだからやりたくない
例)「ES書いたり面接受けるのが億劫」「授業や課題で忙しいし、就活に時間を割けそうにない」
【とりあえず院進理由①】について言うならば、院進で就活は楽になるかもしれない。でも、限られた選択肢の中で決めた企業で、あなたは本当に幸せになれるのでしょうか?
理系院生は、専門性の高い職種に就きたいなら有利なのは確かです。
でも、そうでないなら全く有利なことはないし、むしろ視野の狭い就活をする可能性があるかと思います。

なぜ視野の狭い就活をする可能性があるの?

それには、「推薦枠の存在」「教授の就活に対する寛容度」の2つの理由があるかと思います。
企業の推薦枠をもらうことで選考ステップが短くなることがあり、楽に選考就活を進められそうだということで推薦枠を利用するケースは多くあります。
また、「せっかく2年間専門的な勉強をしたのだから、このスキルをいかせる職種に就かなければもったいないかも…」といった気持ちも、推薦枠の企業を選ぶ1つの理由になるかと思います。
しかし、推薦をもらった企業しか検討しないのは、とても視野の狭い状態ではないでしょうか?
限られた推薦企業の中に、あなたに本当に合う企業は、もしかしたら無いのかもしれないーー・・・。
それなら推薦枠以外の企業も見にいけばいいじゃん!という話になるかと思います。
ですが院生になると、教授の就活に対する寛容度によって、行動が制限されてしまうことがあります。こ
うなると企業を見に行く時間が全くとれず、結果として「なんとなく名前は知っているから」という理由だけで企業にエントリーしてしまう可能性もでてきます。
大学院生が知っている企業なんてほんの一握りなのに、それ以外の選択肢を失ってしまうのはもったいないと思いませんか?

視野の狭い就活の何がいけないの?

では、視野の狭い就活がどうしていけないのでしょうか?
自分にとってより良いと思える企業に就職するには
自分が働く上で何を大切にしたいか、という軸をつくる
色んな企業を自分の目で見て、軸と合いそうか確認する
という、2つの作業が必要だと私は考えています。この2つのサイクルをぐるぐる回していくことで、納得感をもって企業を選べるはずです。
しかし、企業を十分に見ないで視野の狭い就活をすると、bの作業量が減り、就活の納得感を高めるのが難しくなってしまうんです。
もちろん選考を受ける企業はどんな形で選んでも良いと思います。
しかし、「それはあなたにとって本当に幸せな選択なのか?」「あなたはそこでやりがいをもって働けそうか?」などの観点は持ってほしいなぁと思います。
いわば「働く上で大切にするのものは何か?」という軸、これを作りながら色々な企業を見て選んだ方が、あなたにとって良い選択になるはず。
そのためにも視野の広い就活をしてほしいし、視野が狭まる前の学部生の時期に、就活をしてもいいんじゃないかな、と思います。

とりあえず就活、してみない?

【とりあえず院進理由②】の「将来何をやりたいかまだ分からない」について言うならば、「院進だけでなく、就活することでも自分の興味が見つかる可能性はある!」ということをお伝えしたいですし、
【とりあえず院進理由③】の「就活って大変そうだからやりたくない」に関しては、「就活は大変だけどそれ以上に楽しいし、あなたの世界を広げる助けになる」という事実を知って欲しいです。
私は大学2年生の冬に「何者」という映画を見て、「こんなに辛い思いをするなら、就活は先延ばしにして院進しよう」と思っっていたのですが、「覗いてみるくらいなら辛くないか〜」と軽い気持ちで3年生の春から就活を始めました。
就活してた1年弱を振り返ってみると、予想以上に楽しかったなぁ、と思います。
新卒一括採用がああだこうだ、ととやかく言われていると思いますが、これは大学生全員に考えを深める機会が一括で与えられるという点ではすごく良いことなんじゃないかなと思います。
どんな機会か。それは、自分自身を見つめ直す機会ではないでしょうか。
「自分は何が好きで、何をしたくて、どうなりたいんだろう」と、自分について徹底的に考えるって、そうそう無いですよね?
これは私の主観なのですが、理工学部生は大学時代、「(研究で正しい仮説を立てられるように)現象を正しく捉える」ためのインプットをずーっと続けてきたと思うんですよね。
しかも、学んできたことって基本的に正解/ 不正解がはっきりしていて、個人的な解釈を話す場面ってそんなに無かったように思います。
それが理由かはわかりませんが、私は就活を始めたとき、自分の考えを話すことがすごく苦手だったし、大人が言ったことを素直に飲み込みすぎて自分の意思が分からなくなりました。
でも、就活を通して、カッコイイ大人とか尊敬できる同級生にたくさん出会って、話して、徐々に自分の考えを話せるようになっていったし、自分の意思が段々と分かってくるようになりました。
就活は自分を主役として捉えるきっかけをくれたし、就活をしたからこそ、色々な人に出会い、どんどん自分の世界を広げることができました。良作RPGです。
だから、とりあえずノリで就活してみるかー!って気持ちでも、まずは一歩踏み出してほしいなぁ、と…!
結果として、就職しても院進しても、就活する前よりも納得した気持ちで人生を歩めるはずです。
矢上の丘で、みなさんの幸せを願っています。アモーレ!
エンカレッジ慶應支部には、20卒のみなさんの就活をサポートする、熱い想いの19卒メンターがたくさんいます!随時、面談を行っていますのでぜひそちらも使ってみてくださいね^ – ^

エンカレッジ慶應とは

2015年に京大で「全ての就活生が本質的なキャリア選択を通じて人生を最大化する」ことを目的として発足したキャリア支援団体の慶應支部。
今年度は2019年卒の日系有名企業・外資系企業・ベンチャーなどの内定者を中心に運営を行なっており、5月末時点で会員数は500名以上。
内定者が運営するNPO法人であることを生かして「1番近い先輩」として自己分析などのキャリアコンサルティングやES添削、面接練習、その他選考対策講座を行なっている。

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